介護職員の給料の今後は?9000円アップ?2022年からの処遇改善も解説

介護職の給料 2022年11月2日
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「介護職員の給料って今後上がるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。近年では「介護職員等特定処遇改善加算」などによって賃金を上げる動きがあります。そのため介護職員の給料は今度は上がっていくと期待できるでしょう。この記事では、介護職員の処遇改善の制度や給料アップの方法を解説。なぜ介護職員の給料は上がっていくと期待できるのかをご紹介します。介護職の給料に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

目次

介護職員の給料は今後上がる?

高齢化社会が進み、今後ますます介護職員の需要は高まるでしょう。そのため、国は介護職員の人員の確保や定着を促進するため、介護職員の給料を上げる政策を行っています。下記では、「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」を詳しく解説。「介護職員の給料は今後上がるのか」を説明します。

介護職員の待遇は改善されつつある

最近では「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」などの設立によって、介護職員の賃金を改善する動きがあります。厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.1)」「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.5)」によると、2019年から給料を引き上げた施設は66.1%、2021年度では49.7%となっており、今後も介護職員待遇は改善されていくと予想されるでしょう。

「介護職員処遇改善加算」は「キャリアパス要件」や「職場環境要件」といった条件を満たした介護施設や事業所に対して、介護報酬に職員の給料を上げるための報酬を加算する制度です。満たしている要件が多いほど、加算される金額は多くなります。

さらに、経験やスキルのある介護職員の処遇改善に重点を置いた制度が「介護職員等特定処遇改善加算」で、「勤続10年以上の介護福祉士を対象に月額8万円相当の処遇改善を行う」というものです。ただし「介護職員処遇改善加算l~lllを取得している」「職場環境要件に取り組んでいる」などの規定の要件を満たしている場合は、勤続10年以上の介護福祉士がいなくても介護職員等特定処遇改善加算を取得できるとしています。

2022年からは介護職の賃上げ政策を実施

岸田政権は2021年11月19日閣議決定において「介護職員処遇改善臨時特例交付金」を新設しました。この政策は「2022年4月から福祉・介護職員を対象に、収入を3%程度(月額9000円)引き上げるための処置を実施する」とするもの。対象期間は2022年2月〜9月までとしていますが、10月以降も継続して賃金の改善が行われる予定です。

本当に介護職の給料が9000円上がるの?

2022年からの福祉・介護職員の賃上げ政策では、主に介護職員処遇改善加算のl~lllのいずれかを取得している介護施設や事業所を対象に、報酬が加算されます。補助金額は基本的に、介護職員1人につき月額9000円。常勤換算から算出された介護職員の人数分が支給される仕組みです。

「介護職員処遇改善臨時特例交付金」は、介護施設で働く介護職員が対象とされています。介護施設で働く看護職員やリハビリ職員、介護事務員は含まれていません。ただし、厚生労働省は「事業所の判断により、ほかの職員に対しても処遇改善が行われるように柔軟な運用を認める」としており、介護施設や事業所によっては、介護職員以外の職種に対しても支給されることもあります。

ほかの職種にも支給される場合、常勤換算から算出された介護職員の人数分の報酬から振り分けられます。そのため、必ずしも全員が9000円の賃上げの対象となるとはいえないでしょう。とはいえ、「補助額の2/3以上を収入のベースアップ等に使用することを要件とする」との規定があるので、金額の差はあっても、多くの介護職員の給料アップにつながるはずです。

介護職員の給料平均は?

介護職員の給料は、介護施設や勤続年数によって差があります。厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.197)」によると、介護職員(常勤)の平均給料は187,180円でした。下記の表は残業手当や夜勤手当などを含まない基本給です(手当などを含む金額の場合は「給与」と呼ばれます)。なお、介護施設や事業所が定める「正社員が1週間に勤務するべき時間数」を満たしている場合は「常勤」、満たしていない場合は「非常勤」と区別しています。

男女別の平均給料

同資料(p.188)によると、介護職員の平均給与は男性335,460円、女性306,590円でした。平均給与とは、基本給に各種手当とボーナスなどの一時金を含めたものです。前述の平均給料(基本給)とは算出方法が異なるものの、女性より男性の介護職員のほうが高い収入を得ていることが分かるでしょう。

職種ごとの平均給料

介護職員の平均給料をほかの職種と比較してみると、下記の表のようになります。

職種給料平均(常勤)給料平均(非常勤)
介護職員187,180円140,380円
看護職員236,640円163,490円
生活相談員・支援相談員218,110円229,210円
リハビリ専門職員230,340円238,930円
ケアマネージャー220,720円172,100円
事務職員205,860円150,880円
調理員182,530円122,310円
管理栄養士・栄養士210,550円158,010円

引用:厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.197)

介護職員の給料は、ほかの職種に比べるとやや低めです。介護職は、無資格・未経験から働き始められるので、有資格者が基本の職種と比べると給与が低くなる傾向にあります。ただ、介護職員も資格を取得し専門性を高めれば給料アップが見込めるので、職場の資格手当がいくらくらいなのかチェックしておくと良いかもしれません。

施設形態ごとの平均給料

同じ介護職でも、施設形態によって給料は異なります。下記は、介護職員の介護施設ごとの給料平均です。前述した表と同様に、手当などを含まない基本的な給料となっています。

施設形態給料平均(常勤)給料平均(非常勤)
介護老人福祉施設(特養)195,380円147,110円
介護老人保健施設(老健)183,680円178,070円
介護療養型医療施設165,270円データなし
介護医療院168,700円146,630円
訪問介護事業所192,340円138,820円
デイサービス185,260円132,360円
デイケア178,180円148,630円
特定施設入居者生活介護事業所183,770円161,530円
小規模多機能型居宅介護事業所180,700円170,480円
認知症対応型共同生活介護事業所174,850円142,420円

引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.200)

介護施設のなかでも給料平均が高いのは、特養や訪問看護、デイサービスのようです。介護施設や事業所の規模や方針によって差はあるものの、身体的負担が大きく高い介護スキルが必要とされる場合は、給料平均が高く設定されていることがあります。そのため利用者さまの要介護度が高く介護の負担が大きい特養や、1人で利用者さまの居宅を訪問し対応するスキルが求められる訪問介護員の給料平均は高い傾向にあるのでしょう。

 

介護職員の給料の満足度

下記は、介護職員の給料の満足度です。もっとも多いのは1(とても不満)の28.3%。次いで3(普通)が27.1%、2(不満)26.6%と続きます。1(とても不満)と2(不満)を合わせると54.9%になるので、半数以上の介護職員が給料に不満を抱えているようです。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況(p6、p10)」によると、全体での平均給料は30万7,400円、医療福祉の給与平均は29万1,700円です。差はおよそ1万5千円ほどで、一見すると大きな差はないように見えます。ただ、介護職員は寝たきりの利用者さまを抱えたり、急変対応をしたりと体力的・精神的な負担が大きい仕事です。また、時間外労働になることも多々あり、「労働量の割に給料が少ない」といった介護職員の声が多く聞かれます。

なぜ介護職員の給料は低いといわれているのか

「なぜ介護職の年収は低いのか?」その理由は、介護業界ならではの給料の仕組みが要因の一つです。下記で詳しく解説します。

介護報酬の上限が決められているから

介護施設や事業所は、基本的に介護報酬から施設の運営費や経費、給料などを支払います。この介護報酬に上限があるため、安易に介護職員の給料が増やせず、介護職員の給料が低くなってしまうことがあるようです

介護報酬は、介護サービスを提供する対価として国から支給されるお金のことで、1割〜3割を利用者さまが負担し、残りは保険料と公費などの介護保険からまかなわれます。介護報酬が増えれば、給料に充てられるお金も増えますが、介護報酬を増額すると増税などの負担が増すため、簡単には増やせないようです。

とはいえ、前述したように、「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」といった処遇改善も行われているため、今後、給料が上がっていくことが期待できます。

専門性が重要視されていないから

介護職の給料が低いといわれるのは、専門性が重要視されていないことが理由として挙げられます。介護職員は利用者さまに適した介護サービスを提供するために、多くの経験やスキルが求められる仕事です。しかし、ケアマネージャーやリハビリ専門職員と違い、介護職員は資格を持っていなくても働けることから「給料が安くても人が集まる」といった間違った認識をされていることが多いようです。

一方で、介護福祉士やケアマネージャーの給料は、介護職のなかでも高い傾向にあります。その理由は、どちらも専門性の高い仕事だからです。介護に関する高い知識と技術を持つ職員を長く定着させるために、給料平均が高く設定されています。

介護職員として給料を上げる方法

収入をさらに増やすには、どうしたら良いのでしょうか。こちらでは、介護職の給料を増やす方法をご紹介します。

介護福祉士などの資格を取得する

介護職員として経験を積みながら給料を増やす場合、資格の取得がおすすめです。介護職は資格の有無によって年収に大きな差が生まれます。特に介護福祉士やケアマネージャーのような上位資格を取得すれば、基本給が高くなったり資格手当が付いたりするので、無資格より高収入を得られるようになるでしょう。

保有資格平均給与
保有資格なし271,260円
介護職員初任者研修300,510円
実務者研修307,330円
介護福祉士328,720円
介護支援専門員362,290円
社会福祉士363,480円

引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.182)

介護職のキャリアパスは、介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士→ケアマネージャーと続くのが一般的です。順に資格を取得していくにつれて、一般の介護職員からフロアリーダーやサブリーダー、役職や管理職も目指せるでしょう。

夜勤の回数を増やす

特養や老健、グループホームのような夜勤がある施設では、夜勤に入ると夜勤手当が支給されるため給料アップが望めます。常勤の介護職員は月に4〜5回ほど夜勤に入るのが一般的。夜勤1回につき3,000円~6,000円前後の夜勤手当が支給されるため、夜勤の回数を増やす方は少なくありません。なかには少ない勤務回数で高収入が得られる夜勤専従として働く方もいます。

勤続年数を重ねる

職場によっては、勤続年数を重ねれば年々給料が上がる場合もあります。以下に勤続年数5年ごとの平均給与の違いをまとめました。

勤続年数給料平均(常勤)
1年(勤続1年~1年11か月)174,680円
5年(勤続5年~5年11か月)180,100円
10年(勤続10年~10年11か月)187,610円
15年(勤続15年~15年11か月)198,550円
20年以上224,780円

引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.203)

勤続1年と勤続20年以上の給料平均の差は、約5万円です。長く働き続けることで年収がアップしていくことが分かります。現在の職場の業務内容や人間関係に不満がなければ、長期的に活躍することで給料を増やせるでしょう。

管理職へキャリアップする

主任やリーダー、サブリーダーといった管理職になると、基本給が上がったり、役職手当が支給されたりするため、さらに収入を上げられます。介護施設の管理職になるには、施設の種類によって資格要件などが定められていることも。地域ごとに資格要件が異なる場合があるので、勤務先を管轄する自治体のルールを確認することが大切です。

給料アップが見込める施設に転職する

介護職員が収入を増やすには、待遇の良い施設や収入アップが見込める施設に転職する方法もあります。現在働いている施設や事業所で資格を取得したり役職に就いたりしても、思ったように給料が上がらないのであれば、平均年収の高い施設や待遇の良い施設に転職することを検討してみてはいかがでしょうか。

介護職の給料に関する質問

ここでは、介護職の給料に関する質問をQ&A形式で回答します。

介護職の初任給はいくらもらえますか?

約20万円が一般的です。有している資格や働く施設形態などによって、介護職の初任給は異なります。初任給が低い場合でも、上位資格を獲得したり経験年数を積み重ねたりすれば、介護職としての給料を上げられるでしょう。

介護職のボーナスはどれくらい受け取れますか?

平均賞与額は約60万円です。年2回ボーナスを支給する職場では、1回あたり約30万円支給されると考えられるでしょう。ボーナスの支給有無や実際の金額は職場によって異なるため、就職・転職活動の際は介護事業所の給与形態をしっかり確認することが重要です。

まとめ

介護職の給料は、「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員処遇改善臨時特例交付金」などといった、処遇改善によって今後も増えていくことが予想されます。また、資格を取得しキャリアアップすることで、さらに給料アップが期待できるでしょう。

ただし、「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員処遇改善臨時特例交付金」などの加算が支給されるのは、要件を満たした介護施設です。そのため、給料アップが望める職場を希望する場合は、施設の運営状況や方針をしっかり調べることが重要。とはいえ、自分で調べるのは大変です。調べが足りないと「自分が思っていたキャリアプランが叶えられない」「人間関係が合わない」などのミスマッチにつながってしまうこともあります。

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